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久留 璃々香さん(女性・20代・東京都)

イタリアワインのオンラインショップ「株式会社Libertas」代表

「会社を辞めて飛び込んだイタリア。私が手に入れたのは、縛られない自由と、ブレないロジックでした」


留学却下、そして退社。20代でワイン会社を立ち上げるまで

私のイタリアへの旅路は、通勤中の何気ないリサーチから始まりました。ワインショップの販売員として働きながら「WSET Level3」の受験を終え、さらに上を目指す中で出会ったのが、イタリアのソムリエ資格AIS(イタリアソムリエ協会)でした。その圧倒的なかっこよさに魅せられ、すぐに会社へ「留学のために休職したい」と申し出たのです。

しかし、結果は却下。そこで私は立ち止まることなく、「それなら」と退社を決意してイタリアへ飛び立ちました。戻ってきたら何をしようと考えたとき、ふと「この若さでワイン会社を経営している人は見たことがない。組織に所属して、決められた指示をこなすのではなく、自分の思うように一から全部を築き上げ、フレッシュな価値観でワインの魅力を届けてみたい」と思ったことが、25歳での起業(株式会社Libertas設立)のきっかけでした。


正解」を当てるためではなく、伝えるためのテイスティング

元々ワインの知識はありましたが、現地で触れたAISの文化は、それまでの学びとは全く異なるものでした。今までに勉強してきたものは、どちらかといえば決められた選択肢から「正解」を選ぶようなイメージ。一方で、AISのメソッドは、テイスティング用語など決まったものはあるものの、どうしてそれになったのかの意味づけが理論的であること、そしてそれを伝えられることがより大切というスタンス。このスタイルが、私にはとても合っていると感じました。

さらに、料理を分析して相性を数値化する「アッビナメント(ペアリング)」の授業は、私の中の選択肢を劇的に広げてくれました。教科書で読んで暗記するペアリングではなく、実際に試食をして、料理を分析して数値化するという方法は本当に面白く、今でも、食事のたびに頭の中でグラフ化してしまうほどです。

短期集中での資格取得という緊張感の中、週末の観光ですら「勉強しなきゃ」という少しの罪悪感を伴うものでしたが、それこそが本気の留学ならではの忘れられない思い出です 。

不覚にも滞在中に風邪で体調を崩してしまったときは、日本から持参した常備薬に救われながら、必死に勉強しました(これから行く方は常備薬の持参を絶対におすすめします!)。


 実践で活きるロジック。お客様が納得する「ペアリングの言葉」

帰国後、ナポリでの料理修行から戻ったばかりのシェフとコラボし、1日限定のワインバー&イタリアンイベントを開催しました。その際、AISで学んだアッビナメントが大活躍したのです。

自分の経験や教科書的な知識だけで語るのではなく、AISのペアリング概念を元にロジックで説明すると、お客様がいつも以上に深く納得し、驚きながら、目の前のワインとお食事に向き合ってくださるのを肌で感じました。本場で掴んだ武器が、確実にビジネスの現場で活きていると実感した瞬間でした。

「今後の人生でどうすっ転んでも、あの期間の思い出が自分を奮い立たせてくれる」。記憶を消してもう一度最初から参加したいと思うほど、人生で一番楽しい期間でした。


 日本橋の実店舗から、新しいワイン文化を広げていく

現在は、オンラインショップの運営に加え、これからオープンを控える東京・日本橋の実店舗の準備に奔走しています。人と話すのが大好きな私にとって、この実店舗は大切な発信のフィールドです。

目指すのは、難しい話をするお堅いワインバーではなく、ビギナーも愛好家も気楽に来られる場所。王道品種だけでなく、日本への輸入量が少ない「土着品種」を中心に扱い、お店に足を運ぶたびに新たな出会いと発見がある空間にしたいと思っています。 「ワインは難しい」というマイナスイメージを脱却し、日本に自由なワイン文化を定着させることが私の目標です。

そして店舗が安定した先には、自分の足で現地に向かい、自社輸入を始めるという次の夢もあります。あのとき覚悟を決めてイタリアへ飛び立った日から始まった私の挑戦は、これからもたくさんの人へ、知的好奇心が揺さぶられる自由なワインライフをお届けしていきます。

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