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ともこさん(女性・50代・ 受講時40代・茨城県)

茨城県つくば市の紹介制ワインバー『かふね』店主

「初めての海外、未経験からの挑戦。私の背中を押してくれたのは、本場でやり切った自信でした」


体調不良をきっかけに、未経験で飛び込んだイタリア

私のイタリアへの扉は、ある種の「人生の休息期間」から開きました。体調を崩して仕事を一時休職することになり、それまで忙しくてできなかったことをしようと考えたのです。「せっかく海外へ行くなら、ただ旅行するだけでなく何かを学びたい」。そう思ったとき、かつてワインが苦手だった私が初めて美味しいと感動した、イタリアのオレンジワインの記憶が蘇りました。「よし、イタリアでワインの勉強をしよう」。そう決意して、すぐに申し込みました。

しかし、現地に到着すると大きな壁が待っていました。周囲の参加者は海外生活の経験者ばかり。対して私は、これが人生初の海外生活で、ワインも全くの初心者です。

「とんでもない場違いな場所に来てしまった……」と、最初は絶望したのをよく覚えています。


絶望からキラキラした毎日へ。五感で学んだイタリアの文化

最初に感じたそんな絶望も、すぐに吹き飛びました。日本とは異なる文化や、息をのむほど美しい風景。見るものすべてが新鮮で、毎日は一気に充実したキラキラしたものへと変わっていきました。インプルネータでのアンフォラのワインイベントや、古くから続くフランチャコルタの歴史ある伯爵家のワイナリーの佇まい。五感で触れるイタリアの空気は最高でした。

勉強や生活の面で不安もありましたが、スタッフの皆さんをはじめ、周りのみんなが温かくサポートしてくれたおかげで、最後まで笑顔で頑張り抜くことができました。さらに、イタリアに行ったことで、それまではあまり気にしていなかったオリーブオイルにも興味が湧き、後にオリーブオイルコースも受講しました。ワインのソムリエコースと違って1週間の短期コースでしたが、学ぶことはいっぱいで、「もっとじっくりもう一度やり直したい!」と思えるほど、濃密な時間となりました。


開業を諦めかけたとき、あの挑戦が私を支えてくれた

帰国後、会社勤めを辞めた私は、周囲の勧めもあって茨城県つくば市に完全予約制のワインバー『かふね』を開くことになりました。初めての店舗経営。自信が持てず、途中で何度も「やっぱりお店を開くのをやめようか」と弱気になりました。そんな時、私の背中を最後にぐっと押してくれたのが、「未経験からひとり、イタリアであれだけ必死に勉強してきたんだ」というあの時の経験と自信でした。

お店を始めた今、AISで学んだ食べ物と飲み物を組み合わせる(ペアリング)の、楽しさ・大切さを日々実感しています。日常生活の中で居酒屋さんに行ったりすると、ほとんどの方は食べ物と飲み物を別々に選んで、ペアリングについて考える方はとっても少ない、それはすごくもったいないこと。高級なレストランでいただくかしこまったペアリングコース料理でなくても、ちょっとした食材やジャンクなおつまみ一つでも、ワインと合わせることでびっくりするほど美味しくなり、幸せになれる。当時の授業では、授業について行くことに必死でしたが、今振り返ると、その大切さと面白さをAISで学んだことが、現在の店づくりの核になっています。


おうちでも真似できる、日常をちょっと幸せにするペアリングを

現在のお店では、自然派やクラシックといった枠組みにとらわれず、お客様の好みに寄り添い、ワインが持っているストーリーや個性を大切にワインをセレクトしています。また、天ぷらやお寿司などをテーマに、季節のネタに合わせたペアリングの会も定期的に開催しています。ワインにとどまらず日本酒なども一緒に合わせるので、勉強することがたくさんありますが、とても楽しく、お客様からも大変好評をいただいています。

私が提案したいのは、お店でしか食べられない特別なペアリングではなく、「おうちでも真似できるような組み合わせ」です。自分で買って、家でも同じように楽しめたら、それを誰かに作ってあげることもできる。そうすれば、毎日はもっと楽しくなると思うのです。

あの日、一歩を踏み出して本当に良かった。これからも色々なシーンで、日常を少しだけ特別にする、自由で楽しいワインの魅力をお伝えできたらいいと思っています。

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